TOO LONG AWAKE(水戸ホーリーホック応援blog)

水戸ホーリーホックの観戦記録などを綴っています。

2020 J2第27節 水戸1-3新潟 高いパフォーマンスと2度の自滅

この試合はどう評価するのが良いのか悩む内容ですね・・・。

完全自滅による2失点で敗戦を喫した結果であり、その致命的プレーはサポーターから厳しい非難を浴びても仕方ないかなと思います。その一方で、水戸の各選手は全体として高いパフォーマンスを披露したとも感じています。新潟の守備が強固だったため、そのパフォーマンスが分かりやすい形で出ることは少なかったですが、称えるべきプレーも多かった印象です。

まず新潟側の話をすると、チームプレーが洗練度が高いと感じました。CB・SB・ボランチの繋ぎが効果的でプレスの的を絞らせてくれなかったし、新潟の右サイドに寄せてから左に素早く展開して本間至恩が1対1で仕掛けるスペースを作る展開も、よくチームで意思統一されていました。守備においては、マウロ&舞行龍ジェームスのCBコンビが強力だったのと、SB2人も集中した守備が印象に残りました。

そういう強敵相手でしたが、水戸のほうも粘り強い戦いはできていました。球際は各ポジションとも強度があったと思います。鄭大世に対応した住吉・細川のところも、ボランチの安東・鈴木のところも。前嶋も本間相手に粘り強く対応していました(止めるのは難しかったですが...)。

攻撃面では、安東と鈴木が積極的に組み立てに絡んだビルドアップはいつになく質が高かったかなと思います。ただ、中山、深堀、山口が封じ込まれてフィニッシュまで行く回数が少なかったですが。後半に奥田、松崎が投入されてからは水戸がペースを握る時間帯が多かったのですが、ラストワンプレーの精度や粘りが不足していてなかなかシュートまで至りませんでした。

選手別でみると、先発でチャンスをもらった深堀はやや残念な出来でした。守備のプレスは物足りなさが残り、攻撃時のプレー精度も欠いていて、攻守両面で良さが見られませんでした。中山も今日は存在感がなかったですね(交代で入ったピットブルも不発でしたが)。

目立って良かった選手は安東。あの2失点目に直結するワンプレーがなければ、水戸のMOMに選ぼうかなと思いながら観てたくらいです。特に攻撃のときに狭い局面でも前にターンして新潟の選手を剥がす場面が何度もありました。ただし、そうは言ってもやはり2失点目の責任は免れない。第17節の栃木戦でも安東のミスパスから決勝ゴールを奪われているので、これで二度目です。

安東とコンビを組んだ鈴木も、非常に好印象でした。ビルドアップに良く顔を出したり、縦に効果的なパスを通したりと、攻撃時は良さを存分に発揮していました。守備のほうは、もうちょっと見てみないと分からないですね。

***

これで直近5試合は「負け→引き分け→勝ち→引き分け→負け」という結果。次の試合の「勝ち」は、意外とマストなのではないかと思います。

【選手寸評】
牲川(6.0) 3失点したが危ない場面を何度も救った。迷った末のMOM。
住吉(6.0) 対人の強さをしっかり見せてくれた。
細川(5.5) 守備はしっかり対応。攻撃では(珍しく?)良いパス供給が多かった。
前嶋(6.0) 前半のグラウンダークロスは決定機を演出。本間相手に粘り強く対応。
       得点場面がSB河野のクロスにSB前嶋が飛び込んでいく流れから。
外山(5.5) 積極的な攻撃参加で目立った。怪我明けのパフォーマンス上がってきた。
安東(5.0) 致命的ミスパスで評点を-1.0。攻守に躍動していたんだけどな。
鈴木(5.5) 技術の高さ・視野の広さを感じる。ボランチの筆頭格でも良いかも。
森 (5.5) 運動量でチームに貢献。最後の精度が甘く天を仰ぐ場面が目立ったか。
山口(5.0) 大人しかった。FWの一角のほうが生き生きとプレーするのは確か。
深堀(4.5) 致命的プレーがあった訳ではなく、全体として低調で良さを発揮せず。
中山(5.0) 惜しいヘッドが一つ。新潟の守備に封じ込められる場面が多かった。
奥田(6.0) 色々なところに顔を出して攻撃にリズムを作る。1ゴール。
松崎(5.5) 右サイドでボールをしっかり保持してチャンスを作った。
       ドリブルの積極的仕掛けもあったが新潟守備陣の前に勝てず。
平野(4.0) 怪我明けで試合勘がない中で致命的なプレ―選択をしてしまった。
河野(5.5) 点を取りに行く姿勢が良かった。多くだの得点に繋がるクロスを供給。
ピットブル(4.5)シュート打っていいところをパス出したり、味方からの良いパスを
       生かせなかったりと、チャンスを潰した。最近の低調ぶりが気になる。
秋葉監督(5.5)
深堀を前半で見切って交代させたことが功を奏し後半は流れを掴んだ。
鈴木はもっと引っ張って良かったかも。

2020 J2第26節 松本2-2水戸 良さも悪さも出た試合でした

大勝した前節千葉戦から安東を平塚に入れ替えた以外は同じ選手をスタメン起用。推測するに、結果を出した選手にしっかり報いるという監督の想いから来る采配かなと。ただ結果としては、調子が上がらない選手(村田・岸田)、相手の守備陣との相性が良くない選手(ピットブル)が出場することとなり、後半冒頭で3枚替えすることとなりました。

前半の悪い流れを断ち切ることになったこの交代を「しっかり修正して流れを引き寄せた」と評価する意見もあり、それに一部賛同するところもありますが、OUTとなった3人は交代させられるべくして交代したことを踏まえると、どちらかと言えばスタメン起用のほうをむしろ反省したほうが良いかなと感じました。交代枠がもし余っていたら不調の山口を森に替える選択肢もできた訳ですしね。

まあ、それは置いておくとして。途中出場の中山・松崎・外山が躍動し、1点目は活性化した右サイドで松崎が絡み、2点目は外山らしいスプリントからのファインゴールが見られました。特に中山は競り合いやボールキープで存在感を見せ、水戸が攻撃を組み立てるための時間を作ってくれていましたし、守備面でもチェイスにいく場面の判断が良かったと思います。

1点目は奥田の動き出しが光りました。サイドに流れてボールを受け、粘り強く前にドリブルで運び、松崎にパスを預けると再びディフェンスライン裏に走ってパスを受ける。こういう献身的な動きでチャンスメイクできるのが奥田ですね。思い返してみると、奥田はシーズン序盤からこういう形でチャンスに絡んでたような気もしますが、プレーに自信が出てきた中盤戦以降、より目立つようになってきていると思います。

2点目は気持ちがスカッとするゴールでした。瀧澤はディフェンス裏に精度高いロングパスを出せますよね。先シーズンも似たような場面があった記憶があります(具体的試合は思い出せませんが...)。外山はスプリント&質の高いクロスという自身の強みを存分に発揮。中山は、外山が抜け出したとみるや相手DF前にサッと潜り込んで最高のポジション取りから気合のダイビングヘッドを見せてくれました。3つの良いプレーががっちり噛み合った素晴らしいゴールでした。

失点を振り返ると、1失点目は水戸の複数選手の守備があまりに軽かったですね。まずは、村田が杉本についていくべき場面で離して完全フリーにさせてしまったことが致命的でしたし、平塚、木村、岸田あたりの対応がプレッシャー不足で、相手に余裕をもったプレーをさせてしまっていました。残念な失点でした。

2失点目の最大のポイントは、相手CKからの流れが切れず水戸の布陣を再整理する時間が取れないままで進行し、相手MF(山本)に誰が行くのか判断が遅れ、フリーで時間を与えすぎた点ですかね。あの場面は、山口と木村のどちらかが危機感を持って寄せるべき場面でしたが、リプレイを見返すと木村がいくべきだったのかなと思いました。こちらも残念な失点でした。

2-1の場面であった松崎の決定機(ゴー2メートルから外した)は悔やまれますね。もし決まっていれば2連勝でホームに戻ってこれました。ただ、終わってしまったミスは仕方ない。チームとしては好調をキープできていると思うので、修正できる点をしっかり修正して、良い波に乗ってほしいと思います。

【選手寸評】
牲川(5.5) 1失点目は止められた?2失点目は仕方ない。後半に好セーブ2本ほど。
ボニ(5.0) 阪野に競り負けてゴールを許す。いつもより強さを感じなかった。
瀧澤(5.5) 得点に直結するナイスパスあり。守備はやや苦戦していた印象もある。
岸田(4.0) 残念だけど前半OUTが妥当な出来。ロストも多く守備も対応が遅い。
前嶋(5.5) 前半は左・後半は右。どちらもそつなくこなす。
平塚(5.0) 守備は相手を捕まえきれず。攻撃展開は悪くないが決定的パスはなし。
木村(5.0) 良く動きパスを受ける回数多かったが、消極的選択がやや多め。
村田(4.5) 攻撃面でも守備面でも良さは出なかった。1失点目は村田の責任大。
奥田(5.5) 攻撃の繋ぎに貢献。1得点目はアシストになるのかしら。
山口(4.5) 最近の試合の中では最も精彩を欠いた。ボールロストやミスも多かった。
ピットブル(4.5)相手守備陣にプレーさせてもらえず。味方との呼吸も合わなかった。
外山(5.5) 左サイドから何度もチャンスを演出。1アシストを記録。
松崎(5.0) 1点目の崩しに絡む。全体は悪くなかったが決定機を外したため減点。
山田(5.0) ここ数試合は正直なところぱっとしない出来。
鈴木(5.0) ミスも散見されたがセンスあるプレー選択も。長時間見たい。

2020 J2第25節 千葉1-5水戸 山口(別格)、前嶋、奥田

危な気ない試合運びで素晴らしい勝利でした。鬼気迫る戦い方で勝利を強奪した北九州戦のときとは違い、チームとしての成熟により勝利を招き入れた印象です。

ここ数試合で最も改善されていると感じているのは中盤の繋ぎ。ボランチの一人は最終ライン底に降りてきてパス回しに参加し、もう一人は相手選手の間にしっかりポジション取りをして、前を向けるときは積極的に前を向こうとする意識を感じます。その姿勢があるので、結果的に最終ライン→ボランチ→最終ラインとパスを戻しても、再度ビルドアップをやり直す時間が確保できる。今日のパス展開はチームが機能していました。

また、中長距離のパスを効果的に使えているのも良かった。千葉の選手が前からハメに来たときは裏にパスを出してプレスを回避するということを、パスの出し手も受け手も共通イメージを持てているのでパスが繋がりやすく、逆にスペースがある状態でチャンス局面を迎える場面が結構あったと思います。

個人選手別でみるなら、4得点に絡んだ別格の山口はひとまず置いておくと、奥田と前嶋の成長ぶりが大きいなと思います。シーズン序盤では考えらなかったくらい2人とも自信を持ってプレーができている。奥田はピッチを広く動いて攻撃の起点を作っていて、しかも身体の使い方が上手くなったのかキープ力もかなり向上している。前嶋は前への推進力もさることながら、味方との細かいパス交換による打開もできるし、相手に引っかけずにパスを通すタイミングなども見事。守備面でも安定感が出ていると思います(ただし、今日の1失点に関して言えば前嶋の気の緩みが原因でしたね。あの場面は堀米に付いていくべきでした)。それと久々の出場となった瀧澤も良いパフォーマンスを見せてくれたのも今後に向けて良い材料ですね。

振り返ると今日は悪い点が見当たらないと言っていいくらいの試合内容でした。次のアウェー連戦(vs松本山雅)となりますが、今日のチームをベースに2連勝を狙ってほしいと思います。

【選手寸評】
牲川(6.0) 相手に流れを渡さないビッグセーブを前半と後半にそれぞれ見せた。
       キックからチャンスも演出。
ボニ(6.5) クレーべも船山もしっかり押さえた。
       2点リードでもCKの流れから前線に残ってゴールを奪う姿勢が◎。
瀧澤(5.5) ボニと連携して最終ラインに安定もたらす。ビルドアップも悪くない。
前嶋(6.5) 左サイドから好機を量産。5点目の動き出し&クロスは脱帽。
岸田(5.0) 前半は為田相手に手を焼いた。後半の攻撃的姿勢は良かった。
安東(6.0) 前を向いてプレーが光った。パス精度も高く中盤で効いていた。
木村(6.5) 流れを呼び込む先制点。守備では鋭い読みで相手の好機の芽を摘んだ。
村田(6.0) 得点場面はこぼれ球への読み・反応で安田を上回る。守備も頑張った。
奥田(6.0) サイドに流れて起点を作る動きで貢献。攻撃を回せる選手に成長。
山口(7.0) 2G1AでMOM。村田の2点目に繋がるミドルも含むと4点に絡む。
      (PKを蹴れたのはじゃんけんでピットブルに勝ったものと推量)
ピットブル(5.0)良い形でボールを受ける場面は少なく、前半45分間で無念の交代。
細川(5.0) 守備固めで入り、役割は果たした。
山田(5.0) 全体の出来は普通だが、軽率なプレーもあり気になった。
平塚(5.0) 可もなく不可もなく。
森 (5.0) 良いところに顔を出していたけどボールは回ってこず残念。
中山(5.0) ポストプレーは収まらず。シュートも少なめで不完全燃焼か。
秋葉監督(5.5)
山口を左MFに持ってきてピット&奥田の2トップにしたのが功を奏していた。
5得点後に守備固めで3バックに変更した采配によりチームバランスが悪くなり劣勢になった気も。

2020 J2第24節 水戸0-0岡山 勝ち切れなかった試合に見えました

一言で言うと「前半のどれかのチャンスで決めておきたかったね」という試合でした。ハイライトでは除外されてしまったけれど、試合開始直後のシーンがかなり惜しかったですね。山口が最前線で粘ってキープし、中山がフリーで効き足でシュート。コースは十分あったので決めてほしかったな。その後も、前嶋のカットイン&パスから木村がダイレクトで合わせた場面、スローインから奥田が抜け出した場面、森のシュートがポストを叩いた場面、ロングキック(牲川からのキックだったっけ?)を中山が絶妙なポストを見せて山口が裏に抜け出した場面など、決定機の数は水戸が上回りました。

ただ、後半は岡山の素早い守備に苦しみ、特に70分以降はセカンドボールを拾われ続ける苦しい時間が長く続きました。あのときはイヤ~な予感をしながら観ていましたが、そこは守備が踏ん張ったというのか岡山の攻撃力不足に救われたというのかで、何とか凌げました。岡山の監督が「勝ち点3を取ってもいい試合だった」とコメントしたのも、終盤の流れからしたらうなずけます。

全体を振り返ると、点を取れず勝ち切れなかった勿体ない試合ではありましたが、岡山にほとんど危険なシュートは打たせず、守備の安定感は割とあったかなと思います。また、安東&山田のボランチは、前半はかなり機能していたように見え、ボランチ経由で良い局面を作るシーンが見られました(特に安東は積極的なプレー多し)。後半は中盤を逆に支配されてしまいましたけどね。

これで現在リーグ12位。今季は監督批判も多いけれど、そこそこの結果は出しているんだよね。上にも下にも行ける順位。良い波に乗れるかどうか。

【選手寸評】
牲川(5.0) 試合展開的にあまり出番自体が少なかったので可もなく不可もなく。
住吉(5.5) 試合を経るごとに強度が増してきていて頼もしい限り。しっかり休んで。
ボニ(5.0) 赤嶺相手に競り負ける場面が多かったかな。
前嶋(5.5) 効果的な攻め上がりで右サイドを押し込んだ。前への推進力がある。
外山(4.5) 良いところなく水戸のブレーキに。持ちすぎてロストが目立った。
安東(6.0) 今日は積極的にボールに関与した。守備も献身的だった。
山田(5.5) 相手と相手の間で受けるプレー良かったがプレー強度の弱さも散見。
木村(6.0) 守備は危ないところをしっかり潰す。攻撃は自由に動いて好機演出。
奥田(5.5) 前向きでプレーする強みを見せた。攻撃の潤滑油になっている。
山口(5.5) 気持ちの入ったプレーは存分に見せてくれた。良いラストパスも供給。
       GKの1対1でボールをコントロールできなかったのは痛かった。
中山(6.0) チャンスのどれかで1点取って欲しかったというのが正直な気持ち。
       ただしFWとしての存在感は出していた。
細川(5.0) 守備はしっかり。味方CKからの惜しい場面は予測力が足りなかったか。
河野(4.5) プレー時間はたっぷりあったものの良さが出たプレーが思い出せない。
森 (5.5) ポストを叩くシュート。ドリブルで持ち上がりチームに時間を与える。
平塚(5.5) 岡山に傾いた流れを水戸に引き戻す。攻撃を組み立てられる選手。
ピットブル(5.0)あまりチャンス回ってこず。裏の抜け出しが一番の形だが出せず。
秋葉監督(5.0)
試合全体としては悪くはなかったが、後半の岡山攻勢に対処する修正がなかったり、
河野と前嶋のポジションは交換すべきだったりと、やや不満も残る。

2020 J2第23節 大宮2-1水戸 3度目のAT被弾逆転負け

3度目のアディショナルタイム被弾による逆転負け。この光景は流石にもう見飽きましたね。試合の中身は中盤を大宮に制圧され続けた試合でしたが、幸先よく取れた先制点を上手く生かして勝ち切る(または引き分けに持ち込む)試合運びは、今の実力でも十分に可能だったのではと思います。

結局のところ、今季の水戸はそれが出来ないチームであり続けているということであり、それを修正すべきはやはり監督の仕事だろうと思っています。それなのに、試合後インタビューで秋葉監督が「惜しかった。もう少しで本当の強さになった」という回答をしていたのを聞いたときは、流石に「そのコメントは無いんじゃないの」と言いたくなりました。

よく守った前半

前半も後半も大宮がボールを保持する時間が長かったのですが、前半に関して言えば、ある程度想定通りの戦い方ができていたように見えました。何度か危ない場面は作られましたが、全体としては自由にプレーさせる時間は少なかった。特にイバへの対応は集中していましたし、両サイドからの攻撃にも外山・前嶋がしっかりアプローチに行って守れていたと思います。

一方の攻撃は、重心が後ろにあるため分厚い攻撃はできませんでしたが、最初のチャンスで幸先よく得点。その後、奥田~中山~山口の惜しいカウンターもありました。前半のスタッズはシュートは4対4で同数だったので悪くない展開だったと思います。

支配され続けた後半

後半に入ると開始3分後に早くも失点。この場面は、大宮がゴールキックを短いパスで再開したのにまんまと釣り出されました。集中が切れての失点。水戸の選手の多くが前目に陣取った中で最終ラインの裏にロングパスを通され、イバ・黒川・奥抜のいずれもプレッシャーがかからない状態でプレーさせてしまいました。乾、山田あたりの寄せが不十分でしたね。同点になってからは防戦一方。乾のいる水戸の左の裏もよく狙われていたし、反対サイドも黒川が効果的にボールを受けて展開し、チャンスメイクされました。

それでも水戸は粘り強く守っていましたが、クリアボールを簡単に大宮に回収されてひたすら受け身の展開が続き、失点は時間の問題だったかなと思います。ピットブルが投入されてからは、一撃を狙って前に蹴る雑なプレーも多くなって、結果として大宮にボールを献上する形となっていました。

失点場面を振り返ると、まず直前のプレーで松井のフィード精度が悪くて逆にピンチを招いたところから始まっているので、やや自滅の面もあるかなと。また、CKでは岸田は畑尾のマークを外し、乾は劣勢の体勢で競り合うなど、守備の拙さもありました。

裏目に出た選手交代

後半冒頭から森を山田に替える采配。意図としては分かる気がしますが、結果としては森の運動量が無くなったことに加え、狙いである守備強化も山田のフィジカル不足もあって果たせなかったことを考えると、裏目に出たと思います。また、外山・平塚も後半15分と早いタイミングで替えましたが、これも当たらなかった。大宮の攻撃を止める展開にはなりませんでした。個人的には外山も平塚ももっと長い時間プレーさせて良かったかなと思います。

5枚の交代枠を使い切ることにこだわらず、試合展開を考えて最良の選択肢を模索してほしいなと思います。


【選手寸評】
松井(5.0) 良いブロックもあったが、1失点目は角度のないところから決められたり
        パンチングが小さくピンチを招くなどイマイチなプレーも。
ボニ(5.0) クリアが不十分でミスを招くなど今日は粗が目立った。
住吉(6.0) 水戸のMOM。貴重な先制点。イバ相手に守備の強度もあった。
乾 (4.5) 守備の弱さを狙われていたのでは。特に裏に出されたときの対処は下手。
前嶋(5.5) 攻撃場面は少なかったが安定したパス回しや集中した守備は良かった。
外山(5.5) 鋭いオーバーラップが何度か。外山OUTで水戸の攻撃力は落ちた。
平塚(5.0) いつもよりミスパス多し。守備もあまり冴えなかったか。
森 (5.0) 大宮ディフェンスに引っかかりロストする場面は確かに多かったが
       森が不在になったことは後半マイナスに作用した。
奥田(5.5) 攻撃の中継地点として良い形でボールを受けていた。
山口(5.5) 前半と後半終了間際は目立ったが、その間の長時間は存在感なし。
中山(5.0) 空中戦の競り合いやボールキープは最低限の役割を果たしたのみ。
山田(4.5) ボールを奪い切れないのにバランスを崩す動き方をしていて
       悪い流れをもたらしていたのでは。
安東(5.0) 水戸の守備を敷きなおす期待を担ったが、大宮の流れは止められず。
岸田(4.5) CKでマーク外す。以前の試合でも似たシーンがあったような。
ピットブル(5.0)見せ場なし。ボールを受ける回数も少なく不完全燃焼で終わる。
秋葉監督(4.5)
采配により流れを引き戻すことはできず。交代内容も納得感のあるものではなかった。

2020 J2第22節 北関東ダービー

今日は仕事帰りにスタジアムへ直行して現地観戦してきました。やはり「幸司がスタメンで出るかも」という話を聞いたら行きたくなりますね。ただ、試合開始時刻には間に合わず、観戦開始できたのは前半30分頃から。全部見られていない状態で個人別評価をするのはフェアじゃないと思うので、今日は簡単なメモにしておきます。

試合全体を振り返ると、ベストメンバーから戦力が落ちた分、そこまで良い出来とは言えなかったと思います。特に前半(30分以降の話ですが)は、攻撃時に消極的選択が目立ち、怖さがなかったような印象でした。しかし、後半当初から森と奥田が入ると、二人の運動量と積極性により攻撃がスムーズに回るようになっていました。そして良い時間帯に先制点。最近は流れを引き寄せて得点まで奪える場面が多いのが良いですね。その後、守備が不安定(特に岸田は残念な内容)な右サイドから1失点しましたが、終わってみれば2試合連続の3得点で勝利。得点が取れる水戸は今日の試合も健在でした。

今後に向けての好材料として、外山の復帰(しかも右サイド起用の可能性もあるのか)と鈴木喜丈のデビューもありましたね。特に鈴木喜丈はほんの数分のプレーしか見ていませんが、相手の攻撃に合わせた細かいポジション修正や、足元の技術の確かさなど、大いに期待できそうです。ボランチのレギュラー争いの筆頭格になってもおかしくないなと思いました。

次節はもう3日後の大宮戦アウェー。厳しい戦いになりそうですが、ここで勝ち点を積み上げられると上位が見えてきますね。

2020 J2第21節 北九州0-3水戸 素晴らしい(というより凄まじい)

先週土曜日の悔しい逆転負けから中3日で迎えたアウェー連戦。前回記事の最後に「北九州戦は期待感ゼロで迎える必要はない。今季は好不調が試合ごとに入れ替わる荒波のシーズン」と書きましたが、まさかここまで最高潮の波が戻ってくるとは全く予想していませんでした。今季ベストを更新する素晴らしい(というより凄まじい)試合をしてくれました。

文字通り試合開始直後から北九州ゴールに迫り、前半1分でシュート2本、飲水タイムのまでに11本のシュートを放ちました(対する北九州は0本)。もしそのままのペースで打ち続けたらフルタイムで40本超という驚異のペース。そして、押し込んだ展開の中でしっかり先制点を取り切れたことが本当に大きかった。山口の抜群の決定力が生きました。

飲水タイム後は、ワイドに展開する北九州に一転してペースを奪わる展開となりましたが、苦しみながら(クロスバーも味方につけ)無失点で前半を切り抜けられたことが、この試合の分水嶺となりました。後半になっても、ギアを上げた北九州相手に守る時間が続きましたが、今日の水戸はリードを念頭に置いて慌てず粘り強い守備が継続でき、攻撃に転じたときには人数をかけてチーム全体で追加点を取りに行く意識が統一されていました。2点目の村田の得点なんて、SBの岸田がペナルティエリア内まで侵入してクロスを上げ、中には水戸の選手が4枚進入していましたからね。単なる少人数のカウンターではない、分厚い攻撃ができていたと思います。

今日の試合はどの選手も動きが良かったですが、中でも特に鬼気迫る激しいプレーを見せてくれたのは、山口、村田、そして山田だったかなと個人的に感じました。山口はここ最近の不調を吹き飛ばす爆発ぶりで、1G1Aという個人成績はもちろん、90分間献身的に最前線のプレスで奔走していました。試合直後に倒れ込みましたが、本当にそれだけの力を出し切ってくれました。村田は昨季から変貌を遂げた強靭なフィジカルを武器に球際・接触プレーで相手を凌駕していましたし、攻撃時もキープして時間を作るプレーをしたり、効果的な縦パス・横パスを出したりと、チームの出来を支える働きが目立ちました(前半6分のビッグチャンスはワンタッチで流し込んでほしかったですけどね・・・)。山田に関しては、前節3失点目に繋がった無謀な守備を引きずることなく、今節も持ち場のエリアだけでなくピッチ全体を縦横無尽に動き回り、北九州のパスの出どころを抑えることに成功していました。水戸の攻撃展開時にも技術の高さを感じさせるボールの持ち方を見せてくれました。久々に躍動感のあるプレーでした。

3人以外にも、前線で潰れ役になりながらチャンスを演出した中山(得点も奪取)、見事なアシストを見せた平塚(ミドルも魅せた)など、良い選手を挙げたらきりがないですね。破壊力ある北九州攻撃陣を相手に無失点で終えた守備陣も良かったし。前節の悔しさを晴らす会心の試合でした。

この流れで次節に北関東ダービーがやってくるとは、何とも良くできた展開。シーズン半分21試合を終えて連勝も連敗もない水戸。それを破るのは群馬戦以外にないような気がしてきました。いや、本当に今度こそ。

(追記)
奮闘した山口は次節は休ませてあげたいですね。かといって中山、奥田、村田もここ数試合長時間出場している。ピットブルがいるとしてFWであと1人欲しい。深堀が使えるとよいのですが、どうでしょうか。

 

【選手寸評】
松井(5.5) 被シュート数が多く苦しめられたが無失点。
       しっかり時間を使い試合を落ち着ける役割も果たした。
ボニ(6.0) 身体の強さで北九州FWを抑え込む。ビルドアップも落ち着いていた。
住吉(5.5) ボニとともに身体を張り強さ見せる。怪我の具合が心配・・・。
岸田(6.0) 1アシスト。村田とのコンビで敵陣深くまで攻め込んだ。守備も○。
前嶋(5.5) 最近の守備の安定感が素晴らしい。攻撃でも左サイドの押込みに成功。
山田(6.0) 広いエリアをカバー。動き出しが早い守備が効いていた。
平塚(6.0) 貴重な先制点をアシスト。守備では危険なエリアを意識して対応。
村田(6.5) 気迫感じるプレーぶり。フィジカル十分。試合の流れを引寄せる2点目。
奥田(5.5) 際立つプレーはなかったが攻守で任務をしっかり果たした。
山口(7.0) 勝利への意志。裏に抜けるセンス、スピード、足元の技術。素晴らしい。
       献身的な守備も目立ち、最終盤は試合を閉めるプレーも。MOM。
中山(6.0) 最前線で泥臭いポストプレーを繰り返して水戸の攻めに貢献。
       ストライカーらしい3得点目はお見事。
森 (5.5) 運動量豊富に動き回り、北九州の攻勢を押し返す働きを担っていた。
乾 (5.0) 急な出場になるも左SBとして役割果たす。パス回しも落ち着いていた。
木村(5.0) 守備の割合が結果的に多かったが、しっかり対応。
安東(5.0) アンカーとして試合を落ち着けた。
松崎(5.0) パスの受け手になり、時間を有効に使うことに貢献。
秋葉監督(6.0)
4バック採用や村田・山田の起用が当たり、試合を勝利に導いた。
采配も無失点勝利に向けて順当なものだった。